第16回 日本放射光学会 若手研究会

2024/06/19

放射光サマースクール2024
―放射光科学×キャリアパス―

【開催目的・趣旨】
 放射光施設は我が国の最先端科学並びに技術革新を推進する上で必要不可欠な大型研究施設である。その研究対象は物質・材料・生命・環境科学と多岐にわたり、近年ではデータ科学や機械学習を用いた計測インフォマティクスといった融合領域へと拡がりを見せている。このように新たな学問や産業分野を育む放射光研究は幅広いバックグラウンドを持つ人材交流の場としての側面を持つ。今後、放射光を利用した先端科学技術を益々発展させていくためには多様な研究者間の交流と連携、若手研究者や次世代を担う大学院生の継続的な人材育成が重要である。
 近年、産学連携が盛んに行われており、特定の進路にこだわらない多様で流動的なキャリアパスが検討されている。キャリアパスの多様化は若手研究者の能力を充分に社会へ還元する上で非常に重要である。特に、放射光研究は自然科学の探求から製品の性能評価まで、「学」から「産」に渡る幅広い分野に用いられており、多様なキャリアパスを促進する豊かな土壌として期待される。さらに、大学や研究機関に加えて民間企業による放射光利用は、研究のみならず放射光業界における経済活性化においても非常に重要であり、放射光利用者のすそ野をさらに広げるためにも柔軟で流動的な人材の移動が待望されている。
 そこで本研究会は、特定の研究分野に特化したテーマ型ではなく、多様な分野が交わる融合型にすることで研究者間の交流を促し、新しい分野の創出を目的とする。さらに、放射光研究を基軸に多彩なキャリアを持つ若手人材を集めて、それぞれのキャリアパスについて紹介していただき、若手研究者や大学院生の視野を広げることを目的とする。そのために本研究会は一泊二日の「滞在型」として、従来の学会や研究会では語り切れない放射光の将来ビジョンの共有や若手研究者としての在り方を議論できる場を構築する。

【主催】日本放射光学会
【協賛企業】MB Scientific AB、トヤマ、シエンタオミクロン、ユニソク、オキサイド

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【開催時期】2024年9月2日(月)~9月3日(火)
【開催場所】天成園小田原駅別館
      https://odawara.tenseien.co.jp/
【アクセス】https://odawara.tenseien.co.jp/access/
      (小田原駅東口から直結)
【参加費】22,000円(指定宿泊費施設利用者、一般)
     10,000円(指定宿泊費施設利用者、学生)
                  5,500円(一日目の食事のみの利用者)
     0円(日帰りまたは指定外宿泊費施設利用者)
【参加登録】 https://forms.gle/qKDjYZa4Z7iWXqUN7 (締め切りました)
【参加登録締め切り】 2024年08月4日(日)
【お問い合わせ】jsrwakate2024@gmail.com
【世話人】◎鈴木剛(東京大学物性研究所・代表)
     大槻太毅(京都大学大学院人間・環境学研究科)
     永村直佳(物質・材料研究機構 マテリアル基盤研究センター)
     木内久雄(東京大学物性研究所)

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参加登録

プログラム


第一日目(9/2 午後)

受付開始 12:00

開校式(12:50-13:00)
12:50-13:00

「研究会の趣旨説明」
鈴木剛(東京大学物性研究所)
Session1 : チュートリアル講演(13:00-15:00)座長:永村
13:00-14:00

S1-1「放射光の歴史 ~キャリアパスと産学連携~」 スライドPDF
尾嶋正治(東京大学物性研究所)
14:00-15:00

S1-2「ベイズ計測と放射光科学」 スライドPDF
岡田真人(東京大学新領域創成科学研究科)

休憩 15:00-15:20

Session2 : キャリアパス検討会1(15:20-18:00)座長:大槻
15:20-16:00

S2-1「物性物理から量子コンピュータ:キャリアパスの一例」
中田勝(富士通)
16:00-16:40

S2-2「物質科学研究者・放射光ユーザーとして企業とアカデミアを少し遍歴してみて」
三石夏樹(理化学研究所CEMS)
16:40-17:20

S2-3「放射光で繋ぐ有機薄膜解析における学術と産業研究の交差」
冨依勇佑(東京大学物性研究所)
17:20-18:00

S2-4「気づいたら放射光施設作っています~企業でものづくり現場も経験した私のキャリア~」
北村未歩(量子科学技術研究開発機構)
Session3: ポスターセッション・座談会(21:00-23:00)座長:木内
21:00-22:30

PS3-1「laser-ARPESによるBa1-xNaxFe2As2における電子秩序相の解明」
峯明史(東京大学物性研究所)
 

PS3-2「ホウ素誘起された銅(111)表面における反応評価」
櫻井遥大(東京大学物性研究所)
 

PS3-3「角度分解光電子分光(ARPES)によるCu/FeCo界面のバンド構造計測」
竹澤伸吾(東京理科大学)
 

PS3-4「反強磁性トポロジカル絶縁体NdBiにおけるギャップレス状態の観測」
福島優斗(東京大学物性研究所)
 

PS3-5「Beam focusing of infrared- and X-ray by a Wolter mirror and the performance of ultrafast time-resolved nonlinear X-ray spectroscopy」
Su Xingyu(東京大学物性研究所)
 

PS3-6「3d遷移金属のKα端X線発光過程における電子正孔対励起の効果」
小林弘樹(兵庫県立大学)
 

PS3-7「角度分解光電子分光によるノーダルライン半金属KAlGeの電子構造の温度依存性の観測」
西田拓磨(東京大学物性研究所)
 

PS3-8「軟X線固体分光ビームライン SPring-8 BL25SU の現状と高度化」
山神光平(高輝度光科学研究センター)
 

PS3-9「Theoretical Insights into the origin of AXAFS using multiple scattering theory」
吉川和輝(富山大学)
 

PS3-10「軟X線ビームのエネルギー分解能計測手法の検討」
竹尾陽子(東京大学物性研究所)
 

PS3-11「μ-ARPESによる電子ドープ型銅酸化物高温超伝導体の不均一な還元アニール効果の研究」
宮本将成(東京大学物性研究所)
 

PS3-12「異種金属界面の初期界面形成過程の原子論的考察」
水原葵(大阪公立大学)
 

PS3-13「一軸圧力印加下における1T-TaS2の電子構造: マイクロARPES」
鈴木崇人(東北大学)
 

PS3-14「Theoretical study on temperature dependence of X-ray magnetic circular dichroism of FeGe」
坂本暁(富山大学)
 

PS3-15「Direct observation of electronic structure of organic superconductor by UV-laser ARPES」
水上昂紀(大阪大学)
 

PS3-16「Eu(Al, Ga)4の電子状態の組成依存性:高分解能ARPES」
新井結喜(東北大学)
22:30-23:00

OS3-1「スウェーデンで働くプロダクトマネージャー ~博士後のキャリア~」
橋本嵩広(シエンタオミクロン)

 


第二日目(9/3) 

Session4 : キャリアパス検討会2(9:00-10:00)座長:鈴木
9:00-9:15

S4-1「ナノ領域におけるARPES装置の試み」
富塚仁(トヤマ)
9:15-9:30

S4-2「Ti2O3の角度分解XEPECSにおける光電子スピンと発光光子偏光との量子もつれ状態の評価」
田中遼(大阪公立大学)
9:30-9:45

S4-3「Au-Al-Gd磁性近似結晶の軟・硬X線光電子分光」
野末悟郎(大阪大学)
9:45-10:00

S4-4「放射光X線回折による分子軌道分布観測」
原武史(名古屋大学)

休憩 10:00-10:20

Session5 : 最先端研究講演1(10:20-12:20)座長: 永村
10:20-11:00

S5-1「軟X線先端分光を担うNanoTerasu共用ビームライン」
堀場弘司 (量子科学技術研究開発機構)
11:00-11:40

S5-2「Hesse行列による電子顕微鏡画像への計測インフォマティクスとナノ構造抽出への展開」
五十嵐康彦(筑波大学)
11:40-12:20

S5-2「SACLAにおける最近の研究と今後の展望」
久保田雄也(理化学研究所)
Session6 : 最先端研究講演2(13:00-14:20)座長:木内
13:00-13:40

S6-1「高圧力がつくる水素化合物の高温超伝導探索の現状」
榮永茉利(大阪大学)
13:40-14:20

S6-2「集光X線レーザーによる生体分子イメージングへの挑戦」
鈴木明大(北海道大学)
閉校式: (14:20-14:30)
14:20-14:30

「終わりに」
大槻太毅(京都大学大学院人間・環境学研究科)
Excursion: トヤマ見学ツアー(15:00-18:30)