【開催目的・趣旨】 近年、X線、陽電子、中性子、ミュオン、電子などの量子ビームや多様なプローブを用いた材料研究において、イメージング技術の高度化とその応用の広がりが急速に進展している。物質の構造・機能・反応性を深く理解する上で、空間的不均一性や動的変化を可視化することの重要性が増しており、イメージングは材料研究の中核的手法として注目されている。 本研究会では、イメージングの原理や測定技術の基礎から、実際の材料研究への応用事例に至るまでを共有し、分野横断的な議論を通じて研究の新たな展開を目指す。特に以下の研究者に向けたプログラム構成とし、互いの視野を広げることを狙いとする。 ・イメージングを専門とする研究者(学生を含む) →異なる量子ビーム・プローブを用いた技術の基礎や最新応用を学び、融合研究の可能性を探る。 ・イメージングをこれから活用したい材料研究者(学生を含む) →技術導入の足がかりとして、基礎的な知識や成功事例に触れ、今後の研究の幅を広げる。 具体的な測定事例を中心に構成し、実験設定や取得データの活用方法を共有することで、それぞれの手法の適用可能性と課題を明示する。また、特定のプローブに依存せず、材料研究という共通軸のもとで企画する本研究会では、普段は接点の少ないX線・陽電子・中性子・ミュオン・電子といった各分野の研究者が交流する場を用意する。さらに、将来の研究を担う若手博士課程学生や博士研究員による招待講演を通じて、次世代視点の共有とネットワーク形成を促進する。 本研究会を通じて、参加者が各種プローブのイメージング能力とその適用可能性を再認識し、自身の研究に新たなアプローチを取り入れるきっかけを得るとともに、分野を越えた融合と連携の促進につながることを期待する。
【主催】日本放射光学会 【共催】高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
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