「次世代光源検討特別委員会」の設置について
2005/01/01
日本放射光学会では設立以来、我が国における放射光施設のあり方について特別委員会を設けて検討してきました。1989年に設けられた将来計画特別委員会(菊田惺志委員長)では、まず大型施設計画について検討し、1990年4月 に、調査報告書(「放射光」vol. 3、206 (1990))を出し、続いて1991年4月には「中型施設計画に関する調査報告書」 (「放射光」別冊(1991))として中型施設7計画についての見解をまとめています。さらに2001年には我が国の施設の グランドデザインを検討するために「将来計画検討特別委員会(上坪宏道委員長)」を設置し、一年にわたって、特に、 極紫外・軟X線計画について詳細に議論を積み重ねてきました。この委員会での検討は、文科省が音頭を取った物性研、 東北大、KEK-PF三者の検討会の内容と連携しながらまとめられました(「放射光」vol. 16 (2003))。これらの検討結果 は、放射光コミュニティの意見として国の委員会などに提出され、一定の効果が得られたと考えられます。
最近、第3期科学技術基本計画に盛り込まれる予定の「今後10年以内に重点的に開発に取り組む国家基幹技術10項目」 が、明らかにされました。(文科省ホームページ、別添資料2)。この中にはテラヘルツ域の実用光源による計測・分析技術や次世代放射光源が挙げられています。次世代光源については 個別には学会内外で議論されてきていますが、放射光学会として検討したことはありません。そこで、従来検討されてきた将来 計画に新たに次世代光源を加えて検討する必要があると考え、新たに「次世代光源検討特別委員会」を提案いたします。
この委員会では今までの検討を踏まえた上で効率的に議論を行うことが肝要であること、国の指針が既に定められていること に、迅速に対応する必要があることなどを考えて、主として利用の観点から検討を進めることとし、施設側あるいは関連する計画 推進者側には委員会の要請に応じてそれぞれの立場や計画の説明を依頼することにしたいと考えます。昨年行われた「若手を 中心としたワークショップ-今後30年の未来像-」での議論も大変参考になります。
この特別委員会の設置について評議員会にメイル審議をお願いし、了解されました。評議員から寄せられた意見などを基に 別紙の方に委員を、委員長としては雨宮さんにお願いすることにいたしました。日程についてはとりあえず第三回までを設定しています。このうち第二回(4月12日)は公開で各施設からの提案を聴くことにしていますので、ぜひご参加ください。
「次世代光源検討特別委員会」とりまとめ資料:次世代放射光源に関する考え方